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今日の熱海日和

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財団主催第13回講演会「百匹目の猿」が無事終わりました♫

11月28日(土)財団主催第13回記念講演会「百匹目の猿」講演録

この日は有限会社シサム工房の水野泰平社長を講師にお迎えしました。シサム工房誕生の背景は、水野社長が今から30年前に南アフリカのアパルトヘイト問題に触れ、「世界にはこんな不条理なことが起こっているのか・・・自分の目で世界を見てみたい・・・」と旅に出るところから始まります。実際にインドやレソトという南アフリカ共和国に囲まれた国の山の中を歩きながら、「貧しくて恵まれていなくて可哀想だな・・・と思っていた国の人たちも、こうしてたくましく生きている。助けてあげなくちゃと思っていた自分が、今、逆に山の中でこの人たちに助けられている。このたくましさは素晴らしい!!この人たちといい方向で繋がっていきたい。そのために自分に何ができるのか・・・」との思いを強く持ったことから始まったそうです。そしてチャリティーではなくフェアトレード・・・すなわち途上国に暮らす子どもや女性、障がいを持った方たちの未来を変える仕組み・・・親たちに仕事を提供することで、その稼いだお金で子どもたちに教育投資ができるようにすることで、子どもたちが「貧困の連鎖」を断ち切る一つの可能性を持った仕組み・・・を作ろうとシサム工房を設立されました。シサムとはアイヌ語で「隣人」という意味のことばだそうで、「良き隣人、良きお隣さん」として途上国の人たちと繋がりたい・・・との想いがこもっているそうです。そこから、フェアトレード品を中心に、作り手、売り手、買い手、社会、地球環境の「五方良し」を目指した商品やサービスを広めることで、貧困・児童労働、環境問題などの社会課題の解決を目指している・・・とのことです。記念館併設の物販コーナーでは、インドの女性が職業訓練を受けて作った「エコバック」をシサム工房から仕入れて販売を始めました。これは、幅広い人に仕事を依頼したいとの思いから、職業訓練中で、衣料、縫製グループに入る前の女性でも、簡単に作れるエコバック製作ならできるだろう・・・と始められたそうです。とても可愛い柄で、持ち手には余った端切れを使っているためいろんな柄があって好評です。水野社長は「そんなさまざまなフェアトレード商品の背景にあるストーリーを丁寧に伝えていくこと・・・それによってお買い物をする人が、作っている人たちのことを考え、選び、それによってこの買い物にはどんな意味があるのだろう、環境には大丈夫かな?そこまで考えを馳せる機会にしていただきたい。」とおっしゃっていました。すなわち「お買い物はどんな社会に一票を投じるかということ。。。お買い物は投票だ」ということをスローガンにしているそうです。「お買い物の力で思いやりに満ちた社会を作る担い手になる」シサム工房が大切にしてこられたビジョン(目的)が胸に響きます。児童労働・・・途上国では大変問題になっているそうです。教育も受けられず、驚くような安い賃金で労働させられ、その子たちが作ったものが市場に驚くような安い値で売られている・・・これからはこういう背景も考えながら、「安いからいい!!」と飛びつかず、買うものを丁寧に選んでいきたいと水野社長のお話を聞いていて心から思いました。これから社会を作っていく子どもたちが、しっかりとした教育を受けられるように・・・貧しくても自立できてその中でたくましく生きていけるように・・・シサム工房が全国に展開しているショップではオープンな間口で、気軽にお客様に出入りしていただいて、フェアトレードに興味を持ってこのようなことを感じていただけるように、そんな場になるように願っていらっしゃるとのことです。同じ地球に生きる隣人として、その商品の背景にあるストーリーを知ることができるシサム工房はとても魅力的だと思いました。水野社長、本当にどうもありがとうございました。それに続いて、舩井幸雄記念館館長の佐野浩一は舩井幸雄が生前によく話し、書物にも書いていた「百匹目の猿」の話をさせていただきました。「百匹の猿」とは、芋を海水で洗い食べ始めた一匹のお猿さんの真似を周りの猿が始めたら、それがその集団にとどまらず、遠い場所の集団にも伝播していった・・・すなわち、どこかで誰かが何かいいことを始めると、それは集団内で必ず真似され、ある一定数を超えると、遠く離れたところでも同じ現象が始まり社会全体に浸透していく・・・一種の波動となって時空を超えて伝わっていくと言われているようです。そして、水野社長のように実際に自分の足で世界を歩き、自分で感じ、その上で「どうしたらいいか」を考え、実際に行動に移して展開している・・・いわゆる「一匹目の猿」に水野社長はなれる人だけれど、多くの人がそうできるわけではない。けれど、この一匹目の猿に賛同して、何匹目かの猿として同じように共感し、応援することは誰にでもできる。それでいいと思う。自分にできることから、できる範囲でやることが大切で、自分が良いと思うことは小さなことでもコツコツと積み上げていけば、それはいつか大きな力になっていく。このように、良い思い、正しい行い、優れたものが多くの人に伝わり、広がり、社会に波及し、社会や地球がもっと良い方向に変わっていくことを心から願っています。2匹目でもいい・・・50匹目でもいい・・・行動を起こしましょう!!と熱く話しました。新型コロナウィルスも未だ拡大しており、まだまだ見通しの立たない世の中ではありますが、嘆くばかりではなく、いま感染拡大防止のために最前線で奮闘してくださっている方々に感謝をして、自分たちにできることを丁寧に真摯に続けていき、愛に満ち溢れた世の中になるように願って行動していきたいと改めて思いました。ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

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